新潟で働く私たちの思い
〜 一つひとつ積み重ねていく。自分たちが守るという決意を

2018/12/21

柏崎刈羽原子力発電所では、福島第一原子力発電所のような事故を二度と起こさないために、災害に備えた様々な安全対策に取り組んでいます。そのなかで、緊急時の所員の対応力強化に携わる社員が、自らの取り組みと安全への思いを語ります。

東京電力ホールディングス株式会社 柏崎刈羽原子力発電所
第二保全部 直営作業グループ マネージャー

飯島 素(いいじま もとより)

1993年入社。福島第一原子力発電所で運転員などを勤めたのち、本社・原子力設備管理部などを経て2013年9月より現職。(2018年2月撮影現在)

高い技能と臨機応変な対応力で、緊急時の安全を確保する

福島第一原子力発電所では、事故発生当初、緊急車両や重機を扱える人員を確保できなかったことが、事故の初期対応を遅らせる原因となりました。その反省から、柏崎刈羽原子力発電所では、様々な安全対策設備の強化や追加だけではなく、所員自らが重機などの特殊車両や機器の操作に対応できるよう、必要な資格の取得や技能講習の受講を積極的に進めています。
代表的な資格として、大型免許、大型特殊免許、大型牽引免許などがあり、のべ300名以上の有資格者が、電源車の操作、消防車による注水、特殊車両の運転など、これまでに19,000回以上の訓練を行い、緊急時にも技能を活かせるよう備えています。(※)
そして、現場の状況を把握し、現場対応指示を的確に出せるように、発電所全体での総合訓練も定期的に実施しています。総合訓練は、事故の様々な状況を想定して行われ、その内容は津波や地震だけでなく、航空機の衝突、竜巻、落雷など多岐にわたります。さらに、所員が臨機応変に対応できるよう、訓練の内容をあらかじめ知らせず、突然電気のない暗闇にしたり、通信を不能にするなど、リアリティのある訓練を実施しています。総合訓練は内容を変えながら毎月行っており、これまでに73回実施しています。(※)
※いずれも2017年度末現在

総合訓練

ガレキ除去車訓練

皆さまに安心していただける発電所にするために

福島第一原子力発電所の事故当時、私は東京本社で原子炉を冷やす水をどこから調達するか、水を送るポンプの電源はどう確保するかなど注水方法を検討する担当をしていました。
現場は、道路をふさぐガレキなどによって、消防車がすぐに駆けつけられなかったり、放射線量の高い構内で作業する人が手配できなかったりなど、計画を立てても肝心なところが思うように実行できず、ただただ焦りと不安で一杯でした。
東京電力の所員では対応しきれないことに直面するたびに悔しく思い、どんな場面でも自分たちの力で乗り越えられるようにしなければダメだと痛感しました。
その後、柏崎刈羽原子力発電所に配属になり、あのような事故を二度と起こしてはならないという決意のもとで現在の部署を立ち上げました。東京電力所員直営の対応力を鍛えるための訓練内容を検討し、繰り返し訓練を行うことで、それぞれの技術や技能の習熟度向上に努めています。その結果、安全性を高め続けるため、設備の充実はもちろん、それを確実に動かすための対応力を、発電所全体で持つことができるようになりました。これからも所員一丸となって対応力のさらなる強化に努めてまいります。そして、柏崎刈羽原子力発電所を地域の皆さまに安心していただける発電所にするために、私自身も現状に満足することなく、昨日よりも今日、今日よりも明日の安全レベルを高め、立ち止まることなく安全を追求し続けていきたいと思います。

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