新エネルギーに挑む!
若手社員が語る洋上風力発電の魅力とは
2021/08/16
東京電力リニューアブルパワーでは、海上の風を利用した「洋上風力発電」に力を入れています。日本国内で、将来性のある再生可能エネルギーとして注目されている洋上風力発電。その理由や現在の取り組み、そして洋上風力発電にかける思いについて、将来を担う若手社員3名が語りました。
東京電力リニューアブルパワー株式会社
風力部 風力計画・技術グループ
小島 匠
2016年入社。水力発電部門で鬼怒川発電所の設備保守を経験した後、2018年より現職。新エネルギーに携わりたいという思いを活かし、東伊豆風力発電所、銚子沖洋上風力発電所の維持に関する工事・資材の発注や予算管理、用地使用許可に関する手続きなどを担当。
東京電力リニューアブルパワー株式会社
風力部 風力計画・技術グループ
中田 駿
2020年入社。東伊豆風力発電所、銚子沖洋上風力発電所の設備の維持やトラブル対応を担当。発電状況や風車の状態に関するデータ収集・分析が業務のメイン。
東京電力リニューアブルパワー株式会社
風力部 風力計画・技術グループ
小池 匠
2020年入社。東伊豆風力発電所、銚子沖洋上風力発電所の設備の維持やトラブル対応を担当。関係会社への工事の発注や調整、資材調達が業務のメイン。
日本で拡大が期待されている洋上風力発電
小島「風力発電の中でも、風車を洋上に設置し、海上の風を利用して発電するものを洋上風力発電といいます。海上では陸と比べて強い風が安定的に吹くため、環境にやさしいクリーンエネルギーとして多くのポテンシャルを有しています。陸地が少なく、海に囲まれた日本にとって、洋上風力発電は再生可能エネルギーの中でも注目されている電源の一つです」
小池「洋上風力発電は、特に欧州で普及しています。欧州は沿岸の海が遠浅であるため、着床式※の風力発電の設備を建設しやすい条件が整っています。それに対して、日本の近海は水深が深いこともあり、なかなか普及が進んでいないのが現状です」
- ※着床式…風力発電の風車基礎を海底に固定して設置する方式のこと
中田「東京電力グループは2015年8月、静岡県の山間にて、当社初の大規模風力発電所(ウィンドファーム)として東伊豆風力発電所を運転開始しました。そして、近年ではグループ初の洋上風力発電所として2019年1月に銚子沖洋上風力発電所の商用運転を開始しました。東京電力リニューアブルパワーの風力発電事業は、この2カ所の風力発電所を安定的に稼働させること、そして国内外での洋上ウィンドファームの建設を目指しています」
前例のない事業に感じる、やりがいと責任
小池「私たち3名は、銚子や東伊豆の発電所を担当し、発電設備の維持、トラブル対応を行っています。私はトラブルが起きた際、関係会社への工事の発注や調整を担当し、現場に行くこともしばしばあります。最近はコロナ禍の影響で現場に行けないこともあるため、図面を頭に入れ、口頭やメールでの状況報告から現場の様子をイメージできるようにしています」
中田「洋上風力発電は、まだ国内の前例が少なく、東京電力グループにとっても初めての事業です。そのためどんな業務も自分たちで道をつくっていくような感覚で、1から事業をつくっていく経験に最前線で携われるのが面白いと感じています。一方で、前例がない分、トラブルに対処するときも手探りになることが多く、そこはいつも苦労しています」
小島「そうですね。私は東京電力グループの中でも歴史のある水力発電事業を経験してからここに来ているので、洋上風力に関しては何事も手探りで仕事を進めるのに難しさを感じています。一方で、世間から注目されている分、洋上風力発電にはやりがいとともに大きな責任があると思います」
中田「洋上風力発電は、普段の発電量が天候によって左右されるのはもちろん、海の状態によっては船を出せずメンテナンスや修理に行けないこともあります。気象予報はいつも注視するようになりましたし、この仕事をしてから天気には少し詳しくなれました」
東京電力グループでも唯一?海の上での仕事
小島「以前勤務していた水力発電所は山奥にあったので、銚子沖に初めて行ったときのことはよく覚えています。小さな船で20分ほどかけて現場に行くのですが、海の上に立つ風車を見て、『こういうところでやる仕事もあるんだ』と、衝撃的でしたね」
中田「私も、初めて銚子沖の現場に行ったとき、80メートルの支柱を昇り、発電機のあるところから陸地を見たときの景色は印象に残っています。足元が海、3キロ先に陸。他の仕事ではなかなかお目にかかれない光景だと思います」
小池「私はある日、夜間にトラブルがあって、現場に急行したことがありました。早く現場に行く必要があったので、関係会社とともに銚子の港を出発したのは夜明け前。すると現場について作業に取り掛かる直前、ちょうど日の出の時刻となり、私の目の前で、水平線から朝日が昇ってきたのです。トラブル対応の緊張感ある現場ではありますが、その時の感動は忘れられません」
小島「銚子は有名な漁港なので、現場での仕事の前後に地元の食堂で食べた魚のおいしさも心に残っています。『自然の恵みをエネルギーに、そして社会に』を掲げる当社として、地元の漁業を守り、豊かな海の恵みを大切にしながら事業を続けていこうと思います」
クリーンなエネルギーを届け、カーボンニュートラルの実現に貢献したい
中田「当社は現在、銚子沖にウィンドファームを建設するプロジェクトを進めるなど、洋上風力発電事業の拡大を図っている最中です。その礎とするために、まずは既設の設備をしっかりトラブルなく運転させることが私たちの当面の目標です。その中でも私はデータ収集や分析を中心に担当しているので、今後はデータの分析をもとに、今進んでいる銚子沖ウィンドファームプロジェクトにも貢献していきたいです」
小池「他社も含めて、まだ始まったばかりの風力発電事業においては、ノウハウを積み上げていくことが今は大切だと思います。トラブル一つとっても事例として今後に活かすために、何か起きたときは内容や図面を資料として残し、振り返れるようにしていきます」
小島「私の目標は2つあります。1つは、既設の風力発電所において、コストを下げ、収益性を高めることです。事故・トラブルがないことは前提ですが、修繕費などのコストを下げることで、クリーンエネルギーという社会貢献性に加えて収益性も両立できる事業にしていきたいです。そしてもう一つは、銚子沖ウィンドファームの開発にも携わり、洋上風力発電でつくられたクリーンなエネルギーをお客さまに届けることです。ウィンドファームが完成すれば、電力供給量がアップし、カーボンニュートラルへの貢献も高めることができると期待しています」
中田「さらにその先を見据えた取り組みとして、当社は2021年2月、浮体式※の洋上風力発電実証プロジェクトに参画しました。浮体式洋上風力発電は、技術的な課題もまだ多いですが、実用化されれば日本の洋上風力に適した場所が広がる可能性があるので、私たちも期待しています」
- ※浮体式…海上に浮かんだ発電設備をもとに発電する方式のこと。日本の海は水深が深いため、着床式よりも浮体式の設備が適した場所も多いといわれている
- ※テトラ・スパー型浮体式洋上風力の実証プロジェクトへの参画について
小池「当社は水力発電をはじめ、風力発電、太陽光発電といった新エネルギーを含む、クリーンなエネルギーの供給および拡大を進めています。世界的なカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みに貢献したいと思っていますので、東京電力リニューアブルパワーにぜひご注目ください!」
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