冷蔵庫の省エネ術
冷蔵庫には、冷却効率を落とさない環境を用意しましょう。そのためには、定期的なお手入れや設置の仕方、庫内の整理が欠かせません。これらを意識すると省エネはもちろん、食材を長く美味しく保存することができます。
定期的なホコリとりで
冷蔵庫の本領を発揮
実践する時のポイント
- ・月1回は冷蔵庫の外側も掃除しよう
- ・庫内を清潔に保って、細菌の繁殖を防止
冷蔵庫の省エネのポイントは、製品の性能を最大限に発揮させることです。10年前に比べ、冷蔵庫の省エネ性能は大きく向上しました。少しだけお手入れに気を配ったり、正しい使い方を心がければ性能がしっかり発揮され、少ない電力で最大の効果を得ることができます。
例えば、月に1回のお掃除。放熱部分にホコリが溜まると、庫内の冷えが悪くなったり、消費電力量が増えてしまうこともあります。そのため、庫内だけでなく外側のホコリも軽く落とすといいでしょう。年に1回くらいは背面や、キッチンからの油煙がつきやすい天井部分もしっかり綺麗にしたいところです。
なお、庫内を清潔に保つことは細菌の繁殖を防ぎ、食材を美味しく保存することにもつながります。カビが発生しやすいパッキンや製氷器なども含め、たまには徹底的に掃除をしましょう。
また、パッキンが汚れたり、古くなると隙間から冷気がもれて消費電力量が増加してしまいます。もし破れている場合はパッキンを交換するか、冷蔵庫の買い替えを検討するタイミングといえます。
10年で冷蔵庫の性能は格段に向上
多くの家電製品は10年前よりも省エネ性能が上がっていますが、なかでも大きく進化しているのが冷蔵庫。2022年時点の最新の製品は、10年前のものより平均35〜42%も年間消費電力量が低くなっていて、買い替えることで電気料金を大きくカットできます(※1)。
冷蔵庫の周囲に
なるべくスペースを
実践する時のポイント
- ・冷蔵庫の上と側面に十分な隙間を空ける
- ・大型冷蔵庫の上部には物を載せない
冷蔵庫の周囲に十分な隙間がないと、放熱が妨げられ冷却効率が低下してしまいます。一般的に、冷蔵庫の側面は0.5〜2cm、上部は5〜30cm以上の隙間が必要です(製品により異なるため、詳細はカタログや取扱説明書を参照)。例えば、冷蔵庫の上と両側が壁に接している場合と片側だけが壁に接している場合を比較すると、後者のほうが年間の電気料金が約1400円もおトクになります(※2)。
特に、ファミリーサイズの大型冷蔵庫の場合は上に物を載せたり、側面にチラシを貼ったりするのも避けたいところ。放熱の流れが悪くなり、やはり冷却効率が落ちてしまいます。ただし、一人暮らし用の小型冷蔵庫などで上に電子レンジを載せることを前提に、冷蔵庫の天板が耐熱仕様になっている製品はこの限りではありません。
庫内を整理すれば
電気料金も気分もスッキリ!
実践する時のポイント
- ・冷蔵室は詰め込みすぎず「逆コの字」に物を配置
- ・冷凍庫は逆に、ギュウギュウに詰め込んでOK
庫内に物を詰め込みすぎると、冷気の循環を妨げ、食材の冷却に多くの電力を消費します。なお、食材などを詰め込んだ場合と半分にした場合を比較すると、年間の電気料金が約1360円もおトクに(※2)。
ギュウギュウに詰め込まなくても、置き方を工夫すれば十分な収納力を確保できます。例えば、冷蔵室はドアを開けた正面奥にある冷気の出口を塞がないよう、中央を空けるような「逆コの字」型に配置するのがオススメです。効率よく食材を収納でき、奥まで見渡せるため楽に出し入れが可能に。冷蔵庫を開けている時間を短縮できますし、食材の管理もしやすくなりフードロスの減少にもつながります。
なお、冷凍室は逆に、なるべく隙間なく詰め込んだほうが冷却効率がよくなり、省エネにつながります。入れる物が少ない場合は、保冷剤などでギュウギュウにするといいでしょう。
冷蔵庫選びの
ポイントをチェック!
イメージ的に、大きい冷蔵庫ほど多くの電力を消費すると考えている人は少なくないかもしれません。しかし、じつはファミリータイプの冷蔵庫は単身者用の小型タイプに比べて断熱性能が高く、冷却効率に優れています。そのため、最新の冷蔵庫については大型のものを買ったほうが省エネにつながります。
ちなみに、冷蔵庫の買い替えサイクルは14.0年(※3)。そろそろ買い替え時期かな? と思ったら、ぜひ「機器選びのポイント」もチェックしてみましょう。
をチェックする
2002年に「TVチャンピオン」のスーパー家電通選手権で優勝。現在は家電王として動画「くらしのラボ」をFacebookとYouTubeで毎週配信中!