福島第一原子力発電所 物揚場排水路における簡易放射線検知器「高警報」の発生について(続報9)
2021年05月20日
2021年5月20日
東京電力ホールディングス株式会社
3月2日午後6時18分、物揚場排水路に設置している簡易放射線検知器(PSFモニタ)の「高警報」の発生について、その後の状況をお知らせします。
物揚場排水路の流域を調査したところ、一時保管エリアW2でβ線量率が高いゲル状の物質が発見されました。ゲル状の物質については、3月24日に回収し、周辺の地表面上へ除染材の塗布、シート養生および土のうの設置をしました。
(3月25日、お知らせ済み)
ゲル状の物質の付近にあった瓦礫類収納容器を調査したところ、一部に著しい腐食のある瓦礫類収納容器(1基)の中に、水分を含んだ吸着シート等が入ったビニール袋、及び容器底部に水が溜まっていることを発見しました。この水とゲル状の物質を分析した結果、ともにセシウム137に比べストロンチウム90が有意に高いこと、及び化学的性状についても類似していることを確認しました。
また、同エリアにおいてゲル状の物質の除去、β線量率が高い箇所の舗装の剥がし打替え、飛散防止と流出防止の塗装を実施後、物揚場排水路の全β放射能濃度が上昇していないことを確認しました。
これらの調査結果から、瓦礫類収納容器の腐食部からゲル状の物質が漏えいし、降雨時にこのゲル状の物質に接触した雨水が排水路に到達し、PSFモニタ高警報を発生させ、港湾内に漏えいしたものと判断しました。
このことから、本日(5月20日)午後1時15分、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第62条の3に基づき制定された、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則第18条第10号「核燃料物質等が管理区域外で漏えいしたとき。」に該当すると判断しました。
なお、本事案について以下の対策をしております。
・当該エリアのβ線量率が高い箇所の舗装を剥がして打替え、および放射性物質の飛散と流出を防止するための塗装を実施(4月19日実施済)
・物揚場排水路におけるモニタリング強化(βγ弁別型PSFモニタを追設し、5月21日から本格運用開始予定)
・瓦礫類収納容器からの放射性物質漏えいに関する点検強化
また、物揚場排水路のPSFモニタの高警報が発生した以降の港湾内のサンプリング結果、および敷地境界のモニタリングポストおよびダストモニタ、構内ダストモニタについては有意な変動は確認されていないことから、環境への影響はないものと評価しています。
以 上