福島第一原子力発電所の状況について(日報)
【午後3時現在】
2016年11月1日
東京電力ホールディングス株式会社
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
福島第一原子力発電所の事故に関し、2011年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
2013年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。
※下線部が新規事項
※本日午前6時35分、免震棟集中監視室において、淡水化装置から漏えいしたことを示す「RO設備漏えい監視装置異常」の警報が発生したため、淡水化装置に廃液を供給する移送ポンプを停止。その後、当社社員が現場状況を確認したところ、淡水化装置付近から漏えいを確認したことから、午前6時58分、淡水化装置(RO3-3、RO3-4)を停止し、装置付近からの漏えいが停止していることを確認。漏えい範囲は約30m×10m×深さ1cm、漏えいした水の量は約3トンであり、装置周辺に設置されている堰内に留まっている。
漏えい箇所について現場確認を行った結果、淡水化装置のRO膜を洗浄する水を貯めるタンクの空気抜き配管より水が漏えいしていたことを確認。また、漏えいした水はRO膜の洗浄水(RO処理した後の水)で、漏えいした水の放射能分析結果は以下のとおり。
・セシウム134:1.1×101Bq/L
・セシウム137:6.6×101Bq/L
・全ベータ :4.5×104Bq/L
なお、漏えいした水については、午前11時47分に回収作業を開始。
《1号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中
・原子炉建屋カバー解体工事については、散水設備の設置、オペレーティングフロア崩落屋根上の小ガレキ吸引作業および崩落屋根下の飛散防止剤散布を実施。これらの作業が終了し準備が整ったことから、壁パネルの取り外し作業を実施する。壁パネルは全部で18枚あり、取り外し作業期間は約3ヶ月を予定。9月13日から当該作業を開始。当該作業にあたっては、今後も継続的に飛散防止剤の散布を実施する。また、ダストモニタおよびモニタリングポストにてダスト濃度等の監視を十分に行いながら慎重に作業を実施していく。
《2号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
・2号機使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)代替冷却系について、二次系冷却設備を1~3号機共用の二次系冷却設備へ変更する工事を行うため、2016年10月29日午後2時1分に冷却を停止。冷却停止時のSFP水温度は17.7℃であり、運転上の制限値65℃に対して、停止中のSFP水温度上昇は最大で約27.3℃と評価していることから(SFP水温度上昇率は0.124℃/h)、SFP水温度の管理上問題なし。
《3号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
・3号機使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)代替冷却系については、1~3号機二次冷却系の共用化工事の工程変更に伴い、本日午前9時51分に冷却を停止。冷却停止時のSFP水温度は19.2℃。その後、予定作業が終了したことから、本日午前11時57分にSFP代替冷却系を起動。起動後のSFP水温度は19.2℃で、運転上の制限値(65℃)に対して余裕があり、SFP水温度の管理上問題ない。
《4号機(2012年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
《5号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《6号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施
《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置停止中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備停止中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
《サブドレン他水処理施設の状況》
※サブドレン他水処理施設一時貯水タンクDの分析結果[採取日10月27日]について、運用目標値を満足していることを確認。
《地下水バイパスの状況》
地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の分析結果[採取日10月19日]について、運用目標値を満足していることを確認。11月1日午前10時14分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時28分に漏えい等の異常がないことを確認。
《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視を継続実施中。
<最新のパトロール結果>
※10月31日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
《地下貯水槽の状況》
2013年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。
<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。
<最新のサンプリング実績>
※地下貯水槽周辺の観測孔全ベータ放射能が上昇した件について、10月31日に採取したi~iii観測孔の水の全ベータ放射能分析結果は、至近の分析値と比較して有意な変動は確認されていない。また、その他の分析結果についても、至近の分析値と比較して有意な変動は確認されていない。引き続き、地下貯水槽周辺の観測孔について監視を継続する。
《1~3号機放水路の状況》
1~3号機放水路については、1号機放水路上流側立坑および2号機放水路立坑において、セシウム137の濃度が上昇したことから定期的に水質調査を実施。
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、至近の分析値と比較して有意な変動は確認されていない。
以 上
添付資料
参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)
参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。