2017年7月6日
東京電力ホールディングス株式会社

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、2011年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 2013年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項

《1号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中

※7月5日、1号機タービン建屋地下1階にある滞留水が残存している可能性のある未調査エリア3箇所の残水調査として、電気マンホール内の水位測定(2地点)を行ったところ、電気マンホール内(No.1)の水位が、1号機タービン建屋近傍にあるサブドレンの水位(No.201)より高い位置にあることから、午前9時56分、特定原子力施設の保安第1編第26条「建屋に貯留する滞留水」にて定める1号機タービン建屋の滞留水水位の運転上の制限「各建屋近傍のサブドレン水の水位を超えないこと」を満足できていないと判断。また、電気マンホール内(No.2)の水位についても、1号機タービン建屋近傍にあるサブドレンの水位(No.202)より高い位置にあることから、午前10時2分、特定原子力施設の保安第1編第26条「建屋に貯留する滞留水」にて定める1号機タービン建屋の滞留水水位の運転上の制限「各建屋近傍のサブドレン水の水位を超えないこと」を満足できていないと判断。
電気マンホール内および近傍サブドレン水位は以下の通り。
・電気マンホール内水位(No.1) T.P. 3,070mm
 近傍サブドレン水位 (No.201) T.P. 1,999mm
・電気マンホール内水位(No.2) T.P. 2,313mm
 近傍サブドレン水位 (No.202) T.P. 1,991mm
1号機タービン建屋地下1階にある未調査エリア3箇所については、建屋内の孤立した場所にあり他のエリアとの連通はないことから、電気マンホール内に滞留している水が外部へ流出することはないと考えているが、念のため、午前10時1分に1~4号機サブドレン、午前10時3分に地下水ドレンによる地下水の汲み上げを停止。電気マンホール内(No.1およびNo.2)の水位を運転上の制限を満足できる状態に復帰する措置として、排水ポンプを設置し、午前10時17分、電気マンホール内から1号機タービン建屋床ドレンサンプへの排水を開始。排水完了および近傍サブドレン水および電気マンホール内滞留水の放射能濃度については、別途お知らせ予定。
なお、残りの未調査エリアのうち、主油タンク室については、一部で少量の残水は確認されたものの、測定可能な水位ではない。また、復水脱塩装置樹脂貯蔵タンク室については、残水がないことを確認。以上の結果から、主油タンク室及び復水脱塩装置樹脂貯蔵タンク室については、特定原子力施設の保安第1編第26条「建屋に貯留する滞留水」にて定める1号機タービン建屋の滞留水水位の運転上の制限「各建屋近傍のサブドレン水の水位を超えないこと」を満足できていると判断。今後、主油タンク室については、特定原子力施設の保安第1編第11条で定めた「排水完了エリアに貯留する残水」として、水位監視や排水等の適切な管理を行っていく。
その後、電気マンホール内の滞留水を1号機タービン建屋床ドレンサンプへ排水し、電気マンホール内の水位を測定した結果、1号機タービン建屋近傍にあるサブドレンの水位より低い位置にあることを確認。
電気マンホール内(No.1)および近傍サブドレン水位は以下の通り。
・電気マンホール内水位(No.1) T.P.1,754mm
・近傍サブドレン水位 (No.9) T.P.2,649mm

電気マンホール内(No.2)および近傍サブドレン水位は以下の通り。
・電気マンホール内水位(No.2) T.P.1,754mm
・近傍サブドレン水位 (No.9) T.P.2,650mm
電気マンホール内については、特定原子力施設の保安第1編第26条「建屋に貯留する滞留水」にて定める1号機タービン建屋の滞留水水位の運転上の制限「各建屋近傍のサブドレン水の水位を超えないこと」を満足していることを確認したことから、電気マンホール内(No.1)については午後5時7分、電気マンホール内(No.2)については午後5時9分に運転上の制限内への復帰を判断。その後、午後6時5分に地下水ドレン、午後6時9分に1~4号機サブドレン(1号機タービン建屋周辺を除く)汲み上げを再開。
1号機タービン建屋近傍のサブドレン水の放射能濃度の測定結果は以下の通り。
<近傍サブドレン水(No.9)>
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:3.9×10-3Bq/cm3
・セシウム137:1.1×10-2Bq/cm3
<近傍サブドレン水(No.201)>
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:4.8×10-3Bq/cm3
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:4.4×10-3Bq/cm3
<近傍サブドレン水(No.202)>
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:5.3×10-3Bq/cm3
・セシウム137:1.7×10-2Bq/cm3
電気マンホール内(No.1およびNo.2)の底部に残った水の排水処理を行っていたが、午後7時50分に電気マンホール内(No.1)、午後8時に電気マンホール内(No.2)の排水可能限界レベルまで排水が完了。
排水完了時間をもって、電気マンホール内(No.1およびNo.2)については、特定原子力施設の保安第1編第11条で定めた「排水完了エリアに貯留する残水」として、適切な管理を行っていく。
また、午後8時47分に1号機タービン建屋周辺サブドレンの汲み上げを再開。

《2号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

《3号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

《4号機(2012年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了

《5号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却中

《6号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却中

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備停止中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中

《サブドレン他水処理施設の状況》
※サブドレン他水処理施設一時貯水タンクEの分析結果[採取日6月30日]について、運用目標値を満足していることを確認。7月5日午前10時11分より港湾内への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時17分に漏えい等の異常がないことを確認。その後、同日午後3時34分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は782m3

サブドレン他水処理施設一時貯水タンクFの分析結果[採取日7月2日]について、運用目標値を満足していることを確認。

《地下水バイパスの状況》
地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
7月5日のパトロールおよび汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。

H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

《地下貯水槽の状況》
2013年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
地下貯水槽周辺の観測孔全ベータ放射能が上昇した件、および地下貯水槽i南西側および北東側の漏えい検知孔水において全ベータ放射能が上昇した件について、7月5日に採取した分析結果については、至近の分析値と比較して有意な変動は確認されていない。引き続き、地下貯水槽周辺の監視を継続するとともに、全ベータ放射能が上昇した原因を調査していく。

《1~3号機放水路の状況》
1~3号機放水路については、1号機放水路上流側立坑および2号機放水路立坑において、セシウム137の濃度が上昇したことから定期的に水質調査を実施。

<最新のサンプリング実績>
7月3日に採取した分析結果については、至近の分析値と比較して有意な変動は確認されていない。

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:2016年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。