2017年8月15日
東京電力ホールディングス株式会社

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、2011年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 2013年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項

※8月2日午後6時31分頃、4号機原子炉建屋南西側に設置しているサブドレンピットNo.51の水位が一時的に低下したことについて、4号機原子炉建屋および廃棄物処理建屋近傍のサブドレン水の分析を実施(採取日8月12日13日)した結果、前回の分析結果と比較して有意な変動はなし。

<4号機原子炉建屋および廃棄物処理建屋近傍のサブドレン分析結果>
4号機原子炉建屋および廃棄物処理建屋近傍のサブドレン分析結果

2016年3月24日から2016年3月28日の間において、特定原子力施設の保安第1編第27条(汚染水処理設備)で定める運転上の制限を満足していなかったことが判明したため、2017年8月14日に遡って運転上の制限からの逸脱ならびに復帰を宣言した。
詳細は、以下の通り。
1~4号機タービン建屋地下階の滞留水について、設備安定運転に万全を期するため、集中廃棄物処理施設プロセス主建屋および高温焼却炉建屋の地下を介さずに、直接汚染水処理設備へ移送する系統の工事を計画している。
当該工事の実施にあたり、第二セシウム吸着装置を停止し、セシウム吸着装置のみの運転状態となる。汚染水処理設備について、特定原子力施設の保安第1編第27条において、セシウム吸着装置および第二セシウム吸着装置のうち、1設備が動作可能であること」が要求されており、セシウム吸着装置については、4系列で1設備としている。これまでは、セシウム吸着装置4系列すべてを用いた2系列運転の状態(※)でも、早急に4系列に復帰可能であれば「1設備が動作可能」と判断していたが、当該工事の計画にあたり再検討した結果、そのような運転状態では「1設備が動作可能」とはみなせないとの見解となった。
(※)セシウム吸着装置4系列を2系列化しセシウムおよびストロンチウムを除去するセシウム/ストロンチウム同時吸着運転
同見解に基づき過去の汚染水処理設備の運転状態を調査したところ、第二セシウム吸着装置2系列が2016年3月21日午前6時18分から2016年4月8日午前7時59分において停止状態であったこと、また除染装置が2016年3月24日午前8時25分から2016年3月28日午前11時15分まで停止状態であったことが判明し、その間、セシウム吸着装置が4系列すべてを用いた2系列運転の状態であったものの、上記見解に従えば、セシウム吸着装置も「動作可能」な状態ではなく、汚染水処理設備の全てが動作可能でなかったことが判明した。
以上のことから、2017年8月14日午後8時50分、本件について、2016年3月24日午前8時25分から2016年3月28日午前11時15分にかけて、特定原子力施設の保安第1編第27条「汚染水処理設備」で定める運転上の制限「1設備が動作可能であること」を満足していないと判断した。
また、2017年8月14日午後8時50分、運転上の制限を満足できる状態に復帰したと判断した。

《1号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中

《2号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

《3号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

《4号機(2012年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了

《5号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却中

《6号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却中

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置 停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置 運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備 運転中
・高性能多核種除去設備 停止中
・モバイル型ストロンチウム除去装置 停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置 停止中

《サブドレン他水処理施設の状況》
※サブドレン他水処理施設一時貯水タンクBの分析結果[採取日8月9日]について、運用目標値を満足していることを確認。8月14日午前9時56分より港湾内への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時3分に漏えい等の異常がないことを確認。同日午後3時13分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は769m3

サブドレン他水処理施設一時貯水タンクCの分析結果[採取日8月11日]について、運用目標値を満足していることを確認。

《地下水バイパスの状況》
地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
8月14日のパトロールおよび汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。

H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

《地下貯水槽の状況》
2013年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
地下貯水槽周辺の観測孔全ベータ放射能が上昇した件、および地下貯水槽i南西側および北東側の漏えい検知孔水において全ベータ放射能が上昇した件について、8月14日に採取した分析結果については、至近の分析値と比較して有意な変動は確認されていない。引き続き、地下貯水槽周辺の監視を継続するとともに、全ベータ放射能が上昇した原因を調査していく。

《1~3号機放水路の状況》
1~3号機放水路については、1号機放水路上流側立坑および2号機放水路立坑において、セシウム137の濃度が上昇したことから定期的に水質調査を実施。

<最新のサンプリング実績>
8月11日に採取した分析結果については、至近の分析値と比較して有意な変動は確認されていない。

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:2016年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。