福島第一原子力発電所の状況について(日報)
2019年10月30日
東京電力ホールディングス株式会社
福島第一廃炉推進カンパニー
福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。
(下線部が新規事項)
【主な作業実績と至近の作業予定等】
・10月28日午後7時20分、1号機建屋周辺に設置しているサブドレンピットNo.204において、1号機廃棄物処理建屋北西エリアとの水位差が205mmであり、計器誤差を考慮して設定した水位差400mmを下回っていることを確認。このため、午後7時23分、実施計画第1編第26条(建屋に貯留する滞留水)表26-2で定める運転上の制限「1号機廃棄物処理建屋の滞留水水位が近傍のサブドレン水の水位を超えないこと」を満足できないと判断。なお、評価にあたっては各水位に対して塩分補正および計測誤差を考慮している。
状況は以下のとおり。
・発生時刻 午後7時20分頃
・設備の状況 サブドレンピットNo.204水位:699mm(午後7時20分現在)
1号機廃棄物処理建屋北西エリア滞留水水位:494mm(午後7時20分現在)
・応急措置 午後7時25分に1~4号機建屋周辺のサブドレンについて全台汲み上げを停止した。
・影響拡大の有無 準備が出来次第、近傍のサブドレンを含めたサンプリングを行う。
・外部への影響 プラントパラメータ、モニタリングポスト、排水路モニタなどには異常はない。
10月25日に発生した大雨の影響を勘案して建屋滞留水の状況を確認していたところ、当該エリアの水位が10月25日午後9時30分頃より上昇していること、同日午後10時24分時点で、当該エリアの水位が168mmに対して、建屋周辺にあるNo.204サブドレン水位が568mmであり、計器誤差を考慮して設定した水位差400mmを下回っていることを確認。
当該エリアの水位が上昇した理由については、10月25日に発生した大雨の影響により雨水が建屋内に流入した可能性があると考えているが、詳細については、今後調査する。
1号機廃棄物処理建屋近傍にあるサブドレン水の分析結果は以下のとおり。
(単位:Bq/L、ND:検出限界値未満)
セシウム-134 セシウム-137
・サブドレンピットNo.8 ND(4.1×100) 1.2×101
・サブドレンピットNo.9 5.7×100 9.5×101
・サブドレンピットNo.203 ND(5.0×100) ND(3.4×100)
・サブドレンピットNo.204 ND(5.1×100) ND(3.8×100)
・サブドレンピットNo.205 ND(3.9×100) ND(4.6×100)
・サブドレンピットNo.206 3.7×101 6.7×102
・サブドレンピットNo.207 ND(6.0×100) 1.5×101
(参考)1~4号機建屋近傍サブドレン水の放射能濃度の運転上の制限:1.0×105Bq/L以下
1号機廃棄物処理建屋近傍のサブドレン水については、定期的に確認していく。
1~4号機建屋周辺のサブドレンの汲み上げを停止したことにより、サブドレン水位が上昇し、10月28日午後10時時点で、当該エリアの滞留水水位492mmに対して、No.204サブドレン水位が1,038mmとなり、計器誤差を考慮して設定した水位差400mmを上回ったことを確認。
当該エリアについては、建屋滞留水の水抜きが完了し、水位計が露出したことから、建屋滞留水水位計を監視対象外としていた。
10月29日、当該エリアと同様に監視対象外としているエリアを調査した結果、以下のエリアにおいて滞留水水位と近傍のサブドレン水の水位差が400mm以下になっていたことを確認。
・1号機廃棄物処理建屋南西エリアにおいては、サブドレンピットNo.204との水位差が、10月25日午後10時23分~同日午後11時56分の間
・2号機タービン建屋北東エリアにおいては、サブドレンピットNo.34との水位差が、10月25日午後4時56分~10月28日午後8時57分の間
このため、10月29日午後4時15分、実施計画III第1編第26条(建屋に貯留する滞留水)表26-2で定める運転上の制限「1号機廃棄物処理建屋および2号機タービン建屋の滞留水水位が近傍のサブドレン水の水位を超えないこと」を満足していないと判断。
なお、評価にあたっては各水位に対して塩分補正および計測誤差を考慮している。
また、現在、上記二つのエリアの滞留水水位については、近傍のサブドレン水位と比較して計測誤差を考慮して設定した水位差400mmを上回っていることを確認している。
1号機廃棄物処理建屋における滞留水の移送作業が完了後、10月29日午後5時15分、2号機タービン建屋についても滞留水移送が完了し、サブドレンの汲み上げ再開が可能となったことから、実施計画III第1編第26条(建屋に貯留する滞留水)について、午後6時35分、当直長が運転上の制限外からの復帰を判断。
・1号機において燃料デブリの冷却状況の実態を把握するため、原子炉注水量を一時的に停止する試験(1号機燃料デブリ冷却状況の確認試験)を実施する。この試験に関連し、10月9日から10月31日の期間、以下の予定で1~3号機の原子炉注水量の変更を行う。
なお、2号機および3号機の原子炉注水量の変更は、1~3号機原子炉注水設備全体のバランス調整に伴うもの。
[原子炉注水量変更実績]
(10月9日 午前10時40分)
2号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 :1.5m3/h→2.0m3/h
3号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 :1.5m3/h→2.0m3/h
(10月10日 午後1時31分)
2号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 :2.0m3/h→2.5m3/h
3号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 :2.0m3/h→2.5m3/h
(10月11日 午後4時25分)
1号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 :1.3m3/h→0.0m3/h
1号機 給水系原子炉注水量 :1.3m3/h→3.0m3/h
2号機 給水系原子炉注水量 :1.3m3/h→2.0m3/h
3号機 給水系原子炉注水量 :1.4m3/h→2.0m3/h
(10月15日 午前10時54分)原子炉注水停止
1号機 給水系原子炉注水量 :3.0m3/h→0.0m3/h
(10月17日 午前11時48分)原子炉注水再開
1号機 給水系原子炉注水量 :0.0m3/h→1.5m3/h
(10月21日 午前10時9分)
1号機 給水系原子炉注水量 :1.6m3/h→2.1m3/h
(10月23日 午前10時3分)
1号機 給水系原子炉注水量 :2.1m3/h→2.5m3/h
(10月24日 午後2時14分)
1号機 給水系原子炉注水量 :2.5m3/h→3.0m3/h
(10月25日 午後0時11分)
2号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 :2.5m3/h→1.5m3/h
2号機 給水系原子炉注水量 :2.0m3/h→1.5m3/h
3号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 :2.5m3/h→1.5m3/h
3号機 給水系原子炉注水量 :2.0m3/h→1.5m3/h
[原子炉注水量変更予定]
(10月31日)
1号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 :0.0m3/h→1.5m3/h
1号機 給水系原子炉注水量 :3.0m3/h→1.5m3/h
なお、以下の操作は、特定原子力施設に係る実施計画「III 特定原子力施設の保安」第1編第32条(保全作業を実施する場合)第1項を適用し、必要な安全措置を定めた上で、計画的に運転上の制限外に移行し操作を実施する。
10月15日に実施する原子炉注水停止操作は、午前10時5分より特定原子力施設に係る実施計画に定める運転上の制限「原子炉の冷却に必要な注水量が確保されていること」に関し、計画的に運転上の制限外に移行。
10月17日に実施する原子炉注水再開操作は、午前11時3分より特定原子力施設に係る実施計画に定める運転上の制限「任意の24時間あたりの注水量増加幅 1.0m3/h以下」に関し、計画的に運転上の制限外に移行。
原子炉注水再開後、関連監視パラメータについては、異常ないことを確認。
原子炉注水再開に伴い、特定原子力施設に係る実施計画に定める運転上の制限「原子炉の冷却に必要な注水量が確保されていること」を満足したことから、午後0時31分、当該の運転上の制限に関する実施計画第1編第32条(保全作業を実施する場合)第1項の適用を解除。
その後、運転上の制限「任意の24時間あたりの注水量増加幅 1.0m3/h以下」に関する、実施計画第1編第32条(保全作業を実施する場合)第1項の適用については、注水再開時刻から24時間が経過し、関連監視パラメータについては、異常ないことから、10月18日午後0時17分、実施計画第1編第32条(保全作業を実施する場合)第1項の適用を解除。
【継続実施中の主な作業】
<1~3号機使用済燃料プールからの燃料取り出し>
・2019年4月15日から3号機使用済燃料プール内に保管している燃料取り出し作業を2020年度中の完了に向けて実施中。7月21日午後2時45分、4回目となる7体(新燃料)の共用プールへの移送を完了。
・2号機の燃料取り出しに向け、2019年9月10日から原子炉建屋オペレーティングフロア内の3回目となる残置物の片付作業を実施中。
<1/2号機排気筒解体作業>
・2019年8月1日から1/2号機排気筒解体作業を2019年度内の排気筒解体完了に向けて実施中。
【サブドレン他水処理施設の状況】
【地下水バイパスの状況】
【構内および海洋のサンプリング調査の状況】
・海水(港湾内、港湾外近傍、1~4号機取水口内)、地下水(1~4号機護岸、H4・H6タンクエリア周辺、地下貯水槽周辺、地下水バイパス)、排水路等の水質調査を実施した結果、至近の分析値と比較して有意な変動はなし。
※サンプリング結果の詳細については当社ホームページをご参照ください。
<福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果>
http://www.tepco.co.jp/decommission/data/analysis/
<福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果>
http://www.tepco.co.jp/decommission/data/daily_analysis/
【原子炉および使用済燃料プールの冷却状況】
<原子炉>
・1~3号機原子炉への注水を継続中(各号機ともに冷温停止状態を継続中)。
<使用済燃料プール>
・1,2,3,5,6号機使用済燃料プールを冷却中(4号機は燃料取り出し済み)。
【1~6号機の状況】
※プラント関連パラメータ等の詳細については当社ホームページをご参照ください。
<水位・圧力・温度など>
http://www.tepco.co.jp/decommission/data/plant_data/
以 上
添付資料
参考資料(最終更新日時:2018年12月31日)
参考資料(最終更新日時:2017年12月31日)
参考資料(最終更新日時:2016年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)
参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。