福島第一原子力発電所の状況について(日報)
2020年2月3日
東京電力ホールディングス株式会社
福島第一廃炉推進カンパニー
福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。
(下線部が新規事項)
【主な作業実績と至近の作業予定等】
・1月29日午後1時5分に2号機タービン建屋周辺に設置しているサブドレンピットNo.34に対して、2号機タービン建屋北東エリアの水位が165mm上回っていることを確認。
このため、午後1時29分、実施計画第1編第26条(建屋に貯留する滞留水)表26-2で定める運転上の制限「2号機タービン建屋の滞留水水位が近傍のサブドレン水の水位を超えないこと」を満足していないと判断。
なお、評価にあたっては各水位に対して塩分補正および計測誤差を考慮している。
状況は以下のとおり。
・設備の状況 サブドレンピットNo.34水位:443mm(午後1時5分現在)
2号機タービン建屋北東エリア
滞留水水位 :608mm(午後1時5分現在)
・応急措置 午後1時32分に1~4号機建屋周辺のサブドレンについて全台
汲み上げを停止した。
・影響拡大の有無 準備が出来次第、近傍のサブドレンを含めたサンプリングを行う。
・外部への影響 プラントパラメータ、モニタリングポスト、排水路モニタなどに
異常はない。
その後、2号機タービン建屋北東エリア(以下、「当該エリア」という。)の滞留水水位の状況を確認したところ、1月29日午前5時30分より上昇しており、この時点において近傍のサブドレン水の水位を超えていたことを確認。
午前5時30分時点の水位は
・当該エリア :456mm
・サブドレンピットNo.34 :369mm
当該エリア近傍にあるサブドレン水の分析結果は以下のとおり。
(単位:Bq/L、ND:検出限界値未満)
セシウム134 セシウム137
・サブドレンピットNo.1 6.4×100 1.5×102
・サブドレンピットNo.21※ ND(<4.9×100) 1.2×101
・サブドレンピットNo.22※ ND(<4.4×100) 3.1×101
・サブドレンピットNo.23※ 1.7×101 2.1×102
・サブドレンピットNo.24※ 2.8×101 4.7×102
・サブドレンピットNo.25※ 2.1×101 4.1×102
・サブドレンピットNo.26※ 2.6×101 4.5×102
・サブドレンピットNo.27※ 1.4×102 2.8×103
・サブドレンピットNo.33※ ND(<4.3×100) 1.1×101
・サブドレンピットNo.34※ ND(<6.1×100) 4.3×101
(参考)1~4号機建屋近傍サブドレン水の放射能濃度の運転上の制限
:1.0×105Bq/L以下
※:1月29日午前5時30分時点で、運転上の制限(当該エリアの滞留水水位が近傍のサブドレン水の水位を超えないこと)を満足していないピット。
なお、評価にあたっては塩分補正および計器誤差を考慮している。
1月30日午後0時、サブドレンピットNo.34について、当該サブドレンピット水位と当該エリア水位を手測りした結果、塩分補正および手測りによる測定誤差40mmを考慮しても、サブドレンピットの水位が当該エリアの水位を上回ったことを確認。
・当該エリア 608mm(手測りによる測定)
・サブドレンピットNo.34 777mm(手測りによる測定)
また、その他8箇所のサブドレンピットについて、当該サブドレンピット水位計の指示値と、当該エリア水位を手測りした結果が、塩分補正、計器誤差および手測りによる測定誤差220mmを考慮しても、サブドレンピットの水位が当該エリアの水位を上回ったことを確認。
・サブドレンピットNo.21 1,115mm(水位計の指示値)
・サブドレンピットNo.22 915mm(水位計の指示値)
・サブドレンピットNo.23 1,565mm(水位計の指示値)
・サブドレンピットNo.24 1,565mm(水位計の指示値)
・サブドレンピットNo.25 1,581mm(水位計の指示値)
・サブドレンピットNo.26 1,569mm(水位計の指示値)
・サブドレンピットNo.27 2,544mm(水位計の指示値)
・サブドレンピットNo.33 1,004mm(水位計の指示値)
なお、1月29日判断した運転上の制限逸脱については、全台停止していたサブドレンの再起動準備が整い次第、制限逸脱からの復帰を判断する。
当該エリア近傍にあるサブドレン水の分析結果は以下のとおり。
[採取日 12月31日](単位:Bq/L、ND:検出限界値未満)
セシウム134 セシウム137
・サブドレンピットNo.1 7.7×100 1.5×102
・サブドレンピットNo.21 ND(<7.0×100) 1.7×101
・サブドレンピットNo.22 9.3×100 1.8×102
・サブドレンピットNo.23 1.8×101 2.3×102
・サブドレンピットNo.24 2.5×101 4.3×102
・サブドレンピットNo.25 7.3×100 1.6×102
・サブドレンピットNo.26 1.4×101 2.6×102
・サブドレンピットNo.27 9.7×101 1.7×103
・サブドレンピットNo.33 ND(<3.9×100) 6.6×100
・サブドレンピットNo.34 ND(<4.9×100) 4.6×101
・3号機において燃料デブリの冷却状況の実態を把握するため、原子炉注水量を一時的に停止する試験(3号機燃料デブリ冷却状況の確認試験)を実施する。この試験に関連し、1月29日から2月17日の期間、以下のとおり1~3号機の原子炉注水量の変更を行う。
なお、1号機および2号機の原子炉注水量の変更は、1~3号機原子炉注水設備全体のバランス調整に伴うもの。
[原子炉注水量変更実績]
(1月29日午前10時53分)
1号機 給水系原子炉注水量 : 1.4 m3/h → 2.0 m3/h
2号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 : 1.4 m3/h → 2.0 m3/h
(1月30日午後0時19分)
1号機 給水系原子炉注水量 : 1.8 m3/h → 2.5 m3/h
2号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 : 2.0 m3/h → 2.5 m3/h
(1月31日午後6時10分)
1号機 給水系原子炉注水量 : 2.4 m3/h → 3.0 m3/h
2号機 給水系原子炉注水量 : 1.4 m3/h → 2.0 m3/h
3号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 : 1.4 m3/h → 3.0 m3/h
3号機 給水系原子炉注水量 : 1.5 m3/h → 0 m3/h
(2月3日午前10時31分)原子炉注水停止
3号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 : 2.9 m3/h → 0 m3/h
[原子炉注水量変更予定]
(2月5日)原子炉注水再開
3号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 : 0 m3/h → 1.5 m3/h
(2月6日)
3号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 : 1.5 m3/h → 2.0 m3/h
(2月7日)
3号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 : 2.0 m3/h → 2.5 m3/h
(2月10日)
1号機 給水系原子炉注水量 : 3.0 m3/h → 1.5 m3/h
2号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 : 2.5 m3/h → 1.5 m3/h
2号機 給水系原子炉注水量 : 2.0 m3/h → 1.5 m3/h
3号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 : 2.5 m3/h → 3.0 m3/h
(2月17日)
3号機 炉心スプレイ系原子炉注水量 : 3.0 m3/h → 1.5 m3/h
3号機 給水系原子炉注水量 : 0 m3/h → 1.5 m3/h
なお、以下の操作は、特定原子力施設に係る実施計画「III 特定原子力施設の保安」第1編第32条(保全作業を実施する場合)第1項を適用し、必要な安全措置を定めた上で、計画的に運転上の制限外に移行し操作を実施。
○2月3日に実施する原子炉注水停止操作は、特定原子力施設に係る実施計画に定める運転上の制限「原子炉の冷却に必要な注水量が確保されていること」に関し、計画的に運転上の制限外に移行
2月3日午前10時5分、特定原子力施設に係る実施計画「III 特定原子力施設の保安」第1編第32条(保全作業を実施する場合)第1項を適用
○2月5日に実施する原子炉注水再開操作は、特定原子力施設に係る実施計画に定める運転上の制限「任意の24時間あたりの注水量増加幅 1.0m3/h以下」に関し、計画的に運転上の制限外に移行
【継続実施中の主な作業】
<1~3号機使用済燃料プールからの燃料取り出し>
・2019年4月15日から3号機使用済燃料プール内に保管している燃料取り出し作業を2020年度中の完了に向けて実施中。1月31日午後2時30分、9回目となる7体(使用済燃料7体)の共用プールへの移送を完了。
・2号機の燃料取り出しに向け、2019年9月10日から原子炉建屋オペレーティングフロア内の3回目となる残置物の片付作業を実施中。
<1/2号機排気筒解体作業>
・2019年8月1日から1/2号機排気筒解体作業を2020年5月上旬の排気筒解体完了に向けて実施中。
【構内および海洋のサンプリング調査の状況】
・海水(港湾内、港湾外近傍、1~4号機取水口内)、地下水(1~4号機護岸、H4・H6タンクエリア周辺、地下貯水槽周辺、地下水バイパス)、排水路等の水質調査を実施した結果、至近の分析値と比較して有意な変動はなし。
※サンプリング結果の詳細については当社ホームページをご参照ください。
<福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果>
http://www.tepco.co.jp/decommission/data/analysis/
<福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果>
http://www.tepco.co.jp/decommission/data/daily_analysis/
【原子炉および使用済燃料プールの冷却状況】
<原子炉>
・1~3号機原子炉への注水を継続中(各号機ともに冷温停止状態を継続中)。
<使用済燃料プール>
・1,2,3,5,6号機使用済燃料プールを冷却中(4号機は燃料取り出し済み)。
・1~3号機使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)循環冷却二次系のポンプ点検に伴い、1~3号機のSFPの冷却が停止。(1号機については一次系についても停止)
SFP冷却停止期間(予定)は以下のとおり。
1月15日午前5時から2月7日午後7時
また、各号機の冷却停止期間におけるSFP水温度評価については以下のとおり。
1号機:1月14日午前5時現在のSFP水温度が、19.5℃であり、冷却停止期間終了時点でのSFP水温度については、放熱を考慮し約21.2℃
2号機:1月14日午前5時現在のSFP水温度が、19.7℃であり、冷却停止期間終了時点でのSFP水温度については、放熱を考慮し約29.4℃
3号機:1月14日午前5時現在のSFP水温度が、18.6℃であり、冷却停止期間終了時点でのSFP水温度については、放熱を考慮し約26.5℃
各号機の冷却停止(実績)は以下のとおり。
1号機:1月15日午前6時7分SFP循環冷却系一次系の運転を停止
冷却停止時のSFP水温度は19.6℃
2号機:1月15日午後1時39分SFP循環冷却系二次系の運転を停止
冷却停止時のSFP水温度は19.6℃
3号機:1月15日午後1時39分SFP循環冷却系二次系の運転を停止
冷却停止時のSFP水温度は18.7℃
・6号機使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)については、使用済燃料プール冷却浄化系(以下、「FPC系」という。)にて冷却しているが、タービン建屋補機冷却系の点検において、補助海水系の停止を伴う作業を行なうことから、SFP冷却をFPC系から残留熱除去系(以下、「RHR系」という。)による冷却に切り替え、点検後は、SFP冷却をRHR系からFPC系による冷却に戻す。
SFP冷却切り替え予定は以下のとおり。
2月4日午前9時から午後5時(約8時間停止)
・FPC系からRHR系非常時熱負荷モードに切り替え
・冷却停止中のSFP水温度上昇は約1.5℃と評価(温度上昇率:約0.187℃/h)
2月7日午前9時から午後6時(約9時間停止)
・RHR系非常時熱負荷モードからFPC系に切り替え
・冷却停止中のSFP水温度上昇は約1.7℃と評価(温度上昇率:約0.187℃/h)
2月3日午後1時現在のSFP水温度は、17.9℃。
【1~6号機の状況】
※プラント関連パラメータ等の詳細については当社ホームページをご参照ください。
<水位・圧力・温度など>
http://www.tepco.co.jp/decommission/data/plant_data/
以 上
添付資料
参考資料(最終更新日時:2019年12月31日)
参考資料(最終更新日時:2018年12月31日)
参考資料(最終更新日時:2017年12月31日)
参考資料(最終更新日時:2016年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)
参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。