福島第一原子力発電所の状況について（日報）

2020年7月9日
東京電力ホールディングス株式会社
福島第一廃炉推進カンパニー

　福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

（下線部が新規事項）

【主な作業実績と至近の作業予定等】
・7月9日午前10時27分頃、既設多核種除去設備（Ｃ）のクロスフローフィルタのスキッド内に水が漏えいしていることを協力企業作業員が発見。
　状況は以下のとおり。
　・漏えい箇所　　　　クロスフローフィルタ２Ｃ　二次側出口弁フランジ付近
　・漏えい範囲　　　　約0.3ｍ×0.1ｍ×深さ1ｍｍ（堰内）
　・漏えい継続の有無　当該設備を停止したことにより、午前10時44分漏えいが停止したことを確認
　・外部への影響　　　漏えいした水は堰内に留まっている
　現場を確認したところ、クロスフローフィルタの出口配管から漏えいしていたことを確認。
　なお、漏えい水のスミヤ測定を実施した結果、バックグラウンド500cpmに対し、漏えい水は1200cpmであることを確認。
・7月8日午前10時36分、ＳＰＴ建屋東側　建屋内ＲＯ循環設備Ａ系トラフ内において、漏えい検知器が作動したことを示す警報が発生。
　・警報名称　ＲＯ循環設備Ａ系トラフ内液位(１１)高
　なお、建屋内ＲＯ循環設備については現在停止中。
　現場溜まり水の分析を行った結果、建屋内ＲＯ循環設備系統水の放射能濃度および塩分濃度と比較し、十分に低かったことから、雨水と考えている。
　なお、全ベータ放射能が58Bq/L検出されていることから、現場の状況を注視していく。

【継続実施中の主な作業】
＜1～3号機使用済燃料プールからの燃料取り出し＞
・2019年4月15日から3号機使用済燃料プール内に保管している燃料取り出し作業を2020年度中の完了に向けて実施中。7月9日午後0時27分、32回目となる使用済燃料7体の共用プールへの移送を完了。
・2号機の燃料取り出しに向け、2019年9月10日から原子炉建屋オペレーティングフロア内の3回目となる残置物の片付作業を実施中。

【サブドレン他水処理施設の状況】

【地下水バイパスの状況】

【構内および海洋のサンプリング調査の状況】
・海水（港湾内、港湾外近傍、1～4号機取水口内）、地下水（1～4号機護岸、H4・H6タンクエリア周辺、地下貯水槽周辺、地下水バイパス）、排水路等の水質調査を実施した結果、至近の分析値と比較して有意な変動なし。
※サンプリング結果の詳細については当社ホームページをご参照ください。
＜福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果＞
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/analysis/
＜福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果＞
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/daily_analysis/

【原子炉および使用済燃料プールの冷却状況】
＜原子炉＞
・1～3号機原子炉への注水を継続中（各号機ともに冷温停止状態を継続中）。
＜使用済燃料プール＞
・1,2,3,5,6号機使用済燃料プールを冷却中（4号機は燃料取り出し済み）。
・2号機使用済燃料プール（以下、「SFP」という。）循環冷却系においては、循環冷却設備空気作動弁用空気供給ラインの点検に伴い、7月6日午後0時から7月8日午後11時までの期間、当該設備の運転を停止予定。
　7月3日午前5時現在のSFP水温度は、30.1℃であり、放熱を考慮し、停止期間終了時点で約34.7℃と評価。
　［実績］
　　7月6日午後1時35分、SFP循環冷却系の運転を停止。
　　冷却停止時のSFP水温度は、29.2℃。
　［実績］
　　予定作業が終了したことから、7月8日午後2時54分、SFP循環冷却系の運転を再開。
　　起動後のSFP水温度は、32.0℃。
　　運転状態については、異常のないことを確認。