福島第一原子力発電所の状況について(日報)
2021年3月10日
東京電力ホールディングス株式会社
福島第一廃炉推進カンパニー
福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。
(下線部が新規事項)
【主な作業実績と至近の作業予定等】
・3月2日午後6時18分、物揚場排水路に設置している簡易放射線検知器(PSFモニタ)の高警報が発生。
なお、敷地境界のモニタリングポスト及びダストモニタ、構内ダストモニタに有意な変動なし。
その後、PSFモニタ指示値は継続して低下傾向にあり、当該警報について午後9時44分、警報はクリア。また、プラント関連パラメータに異常がないことを確認。
警報発生後、PSFモニタ近傍から採取した水を分析した結果は以下のとおり。
[当該、PSFモニタ近傍水]
午後6時45分採取(警報発生後)
・セシウム134 :検出限界値未満(検出限界値0.95Bq/L)
・セシウム137 :16Bq/L
・全ベータ :890Bq/L
[参考]
3月1日採取(警報発生前)
・セシウム134 :検出限界値未満(検出限界値0.66Bq/L)
・セシウム137 :1.0Bq/L
・全ベータ :3.1Bq/L
モニタ指示値が低下傾向にあること、プラントパラメータに異常がないこと、及び分析結果から、汚染水の漏えいはないものと考えているが、全ベータが高い値を示していることから、念のため排水路ゲートを「閉」する。
3月2日午後11時40分、当該排水路に設置してあるゲートを「全閉」。排水路に溜まった水の回収を3月3日午前0時28分に開始し、移送に異常のないことを確認。
また、当該排水路から直接採取した水を分析した結果は以下のとおりであり、低下傾向であることを確認。
[当該排水路水]
3月2日午後10時45分採取
・セシウム134 :検出限界値未満(検出限界値0.78Bq/L)
・セシウム137 :4.4Bq/L
・全ベータ :60Bq/L
3月3日午前7時35分、当該排水路近傍の設備について、パトロールを完了し、漏えい等の異常がないことを確認。
また、継続して当該排水路の水を回収しており、回収した水については、タンクエリアの堰内へ移送している。
物揚場前の海水ならびに当該排水路から採取した水を分析した結果は、以下のとおり。
物揚場排水路近傍海水の分析結果については、通常の変動範囲内の値であることを確認。
また、当該排水路水の分析結果については、継続して低下傾向を示していることを確認。
[物揚場前海水]
3月2日午後11時20分採取
・セシウム134 :検出限界値未満(検出限界値0.65Bq/L)
・セシウム137 :0.64Bq/L
・全ベータ :24Bq/L
[物揚場排水路水]
3月3日午前5時5分採取
・セシウム134 :検出限界値未満(検出限界値0.52Bq/L)
・セシウム137 :2.6Bq/L
・全ベータ :23Bq/L
物揚場排水路から採取した水を分析した結果、通常の変動範囲内の値であることを確認したことならびに物揚場排水路の清掃を完了したことから、3月9日午後7時5分に物揚場排水路に設置してあるゲートを「開」とした。
ゲート開前後においてPSFモニタの指示値に有意な変動なし。
また、敷地境界のモニタリングポストおよびダストモニタ、構内ダストモニタに有意な変動なし。
ベータ・ガンマ弁別型PSFモニタ(※1)を新設するまでの間は、以下のとおり対応する。
①排水分析の強化(通常1回/日→強化中3回/日)を継続する。
②現行モニタの放射能濃度750Bq/Lで原因調査を開始し、上昇要因がベータ線核種と確認された場合(※2)には、ゲートを閉止する。
③上記②にかかわらず、現行モニタの放射能濃度が1,500Bq/Lとなった場合には、ゲートを閉止する。
(※1)ベータ線、ガンマ線をそれぞれ個別に測定できるPSFモニタ
(※2)全ベータ線放射能の分析結果がセシウム137放射能濃度の10倍を超え、かつ全ベータ放射能濃度が200Bq/L以上となった場合
[物揚場排水路水分析結果]
3月9日午前7時20分採取
・セシウム134 :検出限界値未満(検出限界値0.78Bq/L)
・セシウム137 :0.91Bq/L
・全ベータ :2.9Bq/L
【サブドレン他水処理施設の状況】
【地下水バイパスの状況】
【構内および海洋のサンプリング調査の状況】
・海水(港湾内、港湾外近傍、1~4号機取水口内)、地下水(1~4号機護岸、H4・H6タンクエリア周辺、地下貯水槽周辺、地下水バイパス)、排水路等の水質調査を実施した結果、至近の分析値と比較して有意な変動なし。
※サンプリング結果の詳細については当社ホームページをご参照ください。
<福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/analysis/
<福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/daily_analysis/
【原子炉および使用済燃料プールの冷却状況】
<原子炉>
・1~3号機原子炉への注水を継続中(各号機ともに冷温停止状態を継続中)。
・原子炉格納容器水位、温度等のパラメータを監視していたところ、2月18日に1号機の原子炉格納容器水位に低下が見られたことから、他のパラメータを確認したところ、1号機において2月15日以降、3号機において2月17日以降に原子炉格納容器温度計の一部に低下傾向が見られた。このため、2月18日に関連パラメータを評価していたところ、1、3号機ともに原子炉格納容器水位が低下傾向にあると判断。
原子炉圧力容器底部温度、格納容器ガス管理システムの放射能(希ガスモニタ含む)、敷地境界のモニタリングポスト及びダストモニタ、構内ダストモニタに有意な変動は認められていないことから、外部への影響はないと判断。
地震後の点検において、原子炉注水設備のパラメータ及び目視点検では異常が確認されておらず、原子炉への注水は適切に行われていることを確認しており、原子炉格納容器水位低下の要因としては地震による原子炉格納容器損傷部の状況変化も考えられるが、今後もパラメータを注視して監視していく。
原子炉建屋水位については現状では有意な変動は確認されていないが、パラメータの詳細評価及び監視を行っていく。
・2月19日にお知らせした1、3号機原子炉格納容器内水位について、その後の状況をお知らせします。[3月10日午前11時現在]
1号機:現状の水位は、温度計T2(T.P.+5,964mm)と水位計L2(T.P.+5,664mm)の設置位置の間にある。(原子炉格納容器底部はT.P.+4,744mmである)
3号機:現状の水位は、水位計L3(T.P.+10,064mm)と水位計L2(T.P.+9,264mm)の設置位置の間にある。(原子炉格納容器底部はT.P.+4,044mmである)
※原子炉格納容器内水位(圧力抑制室圧力の水頭圧換算による計算値):T.P.+9,573mm
(2月19日17時時点の計算値:T.P.+9,623mm)
※原子炉への注水は安定して継続実施中
※原子炉圧力容器底部温度、格納容器ガス管理システムの放射能及び敷地境界モニタリングポスト等に有意な変動なし
なお、過去の注水停止試験において水位低下により格納容器圧力も低下したが、放射性物質の飛散などによる外部への影響がないことを確認している。今後も水位低下が継続した場合、同様な事象が発生するものと思われるが、慎重に監視していく。
<使用済燃料プール>
・1,2,3,5,6号機使用済燃料プールを冷却中(3,4号機は燃料取り出し済み)。
【1~6号機の状況】
※プラント関連パラメータ等の詳細については当社ホームページをご参照ください。
<水位・圧力・温度など>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/plant_data/
以 上
添付資料
参考資料(最終更新日時:2020年12月31日)
参考資料(最終更新日時:2019年12月31日)
参考資料(最終更新日時:2018年12月31日)
参考資料(最終更新日時:2017年12月31日)
参考資料(最終更新日時:2016年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)
参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。