福島第一原子力発電所の状況について(日報)
2021年7月9日
東京電力ホールディングス株式会社
福島第一廃炉推進カンパニー
福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。
(下線部が新規事項)
【主な作業実績と至近の作業予定等】
・7月5日、一時保管エリアP排水枡における放射能分析結果(6月29日採取分)において、全ベータの値が、前回(5月21日)採取分に比較し、以下の通り、上昇していることを確認。なお、7月5日採取分においては、通常の変動の範囲内に戻っていることを確認している。
[前回(5月21日)採取分]
全ベータ:5.9Bq/L、セシウム137:検出限界値未満(検出限界値0.75Bq/L)
[今回(6月29日)採取分]
全ベータ:750Bq/L、セシウム137:21Bq/L
[7月5日採取分]
全ベータ:9.8Bq/L、セシウム137:5.8Bq/L
当該排水枡において、全ベータの値が一時的に上昇した原因は、現時点で不明だが、今後、降雨があった日については、サンプリングの頻度を増やす等、当該排水枡周辺エリアを調査し、当該排水枡の全ベータ値が一時的に上昇した原因を調査する。
なお、当該排水枡の周辺にある一時保管エリアE1,P2において、コンテナの外観目視点検を実施しているが、点検時にコンテナからの水の漏えいがないことを目視確認およびコンテナ外表面の線量当量率測定により確認。また、一時保管エリアE1,P2付近にある側溝直近の線量当量率を定点測定し、有意な変動が無いことを確認。
当該排水枡は、陳場沢川に通じていることから、7月5日、陳場沢川河口においてもサンプリングを実施し、前回(6月4日)採取分と比較し、有意な変動がないことを確認。
[前回(6月4日)採取分]
全ベータ:7.2Bq/L、セシウム137:検出限界値未満(検出限界値0.60Bq/L)
[7月5日採取分]
全ベータ:検出限界値未満(検出限界値3.6Bq/L)
セシウム137:検出限界値未満(検出限界値0.78Bq/L)
暫定の対策として、今後、当該排水枡を清掃するとともに、側溝における水の流れを調査し、側溝へのゼオライト土のうの設置等を進めている。
現時点において、5,6号機放水口北側の海水濃度に有意な変動がないことを確認している。
7月7日、原因調査のため、一時保管エリアP1、P2、E1の近傍を流れる排水溝、排水枡、陳場沢川河口の水を採取し、分析を実施。分析の結果、一時保管エリアP南側排水溝および東側流入地点(上流)の全ベータ値が高いことを確認。
[一時保管エリアP南側排水溝]
全ベータ:930Bq/L、セシウム137:370Bq/L、セシウム134:14Bq/L
[東側流入地点(上流)]
全ベータ:320Bq/L、セシウム137:21Bq/L、セシウム134:検出限界値未満
(検出限界値0.79Bq/L)
なお、一時保管エリアP排水枡や陳場沢川河口においては、全ベータ、セシウム137、セシウム134ともに検出限界値未満であることを確認している。上記分析結果を踏まえ、一時保管エリアP南側排水溝および東側流入地点(上流)の排水溝の清掃を行うとともに、ゼオライト土嚢の設置作業を現在実施している。
引き続き、当該エリア近傍のサーベイ等、汚染源の調査を継続し、当該排水枡や排水溝の全ベータ値が上昇した原因を調査する。
7月8日、周辺の状況調査を実施したところ、シート養生の代用として一時保管エリアP2で使用しているノッチタンク2基の天板ハッチ部蓋が4箇所ずれており、タンク内および天板上に水が溜まっていることを確認した。
天板のハッチ部蓋がずれていたノッチタンク2基内の水および同タンク上面の水を採取し、分析を行った。
【ノッチタンク(北)タンク内の水】
全ベータ:79,000Bq/L、セシウム137: 検出限界値未満(検出限界値6.5Bq/L)、
セシウム134:検出限界値未満(検出限界値6.3Bq/L)
【ノッチタンク(北)天板上の水】
全ベータ:71,000Bq/L、セシウム137: 検出限界値未満(検出限界値4.9Bq/L)、
セシウム134:検出限界値未満(検出限界値4.2Bq/L)
【ノッチタンク(南)タンク内の水】
全ベータ:33,000Bq/L、セシウム137: 検出限界値未満(検出限界値5.6Bq/L)、
セシウム134:検出限界値未満(検出限界値5.3Bq/L)
【ノッチタンク(南)天板上の水】
全ベータ:30,000Bq/L、セシウム137: 検出限界値未満(検出限界値4.8Bq/L)、
セシウム134:検出限界値未満(検出限界値4.0Bq/L)
天板のハッチ部蓋がずれていたノッチタンク2基については、天板上にシート養生を実施するとともに、ノッチタンク廻りへのゼオライト土嚢の設置を実施した。
引き続き、当該エリア近傍のサーベイ等、汚染源の調査を継続し、当該排水枡や排水溝の全ベータ値が上昇した原因を調査する。
・7月9日午後1時5分頃、スラッジ保管施設重機仮置き場付近に油の痕跡があることを協力企業作業員が発見した。
状況は以下のとおり。
・漏えい範囲 確認中
・漏えい継続の有無 なし
・双葉消防本部への連絡時刻 午後1時12分(119番通報)
現場確認した結果、油は確認されなかった。
午後2時54分、現場確認をした結果、油は確認されなかった。
また、近傍の排水路を確認した結果、油の流入も確認されなかった。
午後3時、富岡消防より「その他のその他(現場確認したところ油の滴下は 確認されなかった)」と判断された。
【サブドレン他水処理施設の状況】
【地下水バイパスの状況】
【構内および海洋のサンプリング調査の状況】
・海水(港湾内、港湾外近傍、1~4号機取水口内)、地下水(1~4号機護岸、H4・H6タンクエリア周辺、地下貯水槽周辺、地下水バイパス)、排水路等の水質調査を実施した結果、至近の分析値と比較して有意な変動なし。
※サンプリング結果の詳細については当社ホームページをご参照ください。
<福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/analysis/
<福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/daily_analysis/
【原子炉および使用済燃料プールの冷却状況】
<原子炉>
・1~3号機原子炉への注水を継続中(各号機ともに冷温停止状態を継続中)。
・1号機原子炉格納容器内水位[7月9日午前11時現在]
水位は、水位計L3(T.P.+6,264mm)の設置位置の付近にある。
(原子炉格納容器底部はT.P.+4,744mm)
※原子炉への注水は安定して継続実施中(1号機原子炉格納容器から流出した水は、1号機の滞留水として建屋内で回収するため建屋外へ漏えいしておらず、再び原子炉へ循環注水している)
※原子炉圧力容器底部温度、格納容器ガス管理システムの放射能および敷地境界モニタリングポスト等に有意な変動なし
※1号機は、原子炉格納容器水位に応じた注水量の調整を継続しているため、監視強化を実施。なお、水位の変動に伴い格納容器圧力も変化するが、これまでの監視において外部への影響がないことを確認。
<使用済燃料プール>
・1,2,3,5,6号機使用済燃料プールを冷却中(3,4号機は燃料取り出し済み)。
・3号機使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)循環冷却系においては、SFP循環冷却設備電動弁他点検等に伴い、6月1日午前10時から7月1日午後3時までの期間、当該設備の運転を停止予定としていたが、追加点検のため7月9日午後5時までの期間、当該設備の運転を停止予定。
5月31日午前5時現在のSFP水温度は、21.8℃であり、放熱を考慮し、停止期間終了時点で約20.7℃と評価。
※3号機については、SFPからの使用済燃料取り出しが完了していることから、使用済燃料の崩壊熱による温度上昇はない。
[実績]
6月1日午前10時31分、SFP循環冷却系の運転を停止。
冷却停止時のSFP水温度は、21.6℃。
【1~6号機の状況】
※プラント関連パラメータ等の詳細については当社ホームページをご参照ください。
<水位・圧力・温度など>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/plant_data/
以 上
添付資料
参考資料(最終更新日時:2020年12月31日)
参考資料(最終更新日時:2019年12月31日)
参考資料(最終更新日時:2018年12月31日)
参考資料(最終更新日時:2017年12月31日)
参考資料(最終更新日時:2016年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)
参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。