2021年7月19日
東京電力ホールディングス株式会社
福島第一廃炉推進カンパニー

福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項)

【主な作業実績と至近の作業予定等】
・7月5日、一時保管エリアP排水枡における放射能分析結果(6月29日採取分)において、全ベータの値が、前回(5月21日)採取分に比較し、以下の通り、上昇していることを確認。なお、7月5日採取分においては、通常の変動の範囲内に戻っていることを確認している。
 [前回(5月21日)採取分]
   全ベータ:5.9Bq/L、セシウム137:検出限界値未満(検出限界値0.75Bq/L)
 [今回(6月29日)採取分]
   全ベータ:750Bq/L、セシウム137:21Bq/L
 [7月5日採取分]
   全ベータ:9.8Bq/L、セシウム137:5.8Bq/L
 当該排水枡において、全ベータの値が一時的に上昇した原因は、現時点で不明だが、今後、降雨があった日については、サンプリングの頻度を増やす等、当該排水枡周辺エリアを調査し、当該排水枡の全ベータ値が一時的に上昇した原因を調査する。
 なお、当該排水枡の周辺にある一時保管エリアE1,P2において、コンテナの外観目視点検を実施しているが、点検時にコンテナからの水の漏えいがないことを目視確認およびコンテナ外表面の線量当量率測定により確認。また、一時保管エリアE1,P2付近にある側溝直近の線量当量率を定点測定し、有意な変動が無いことを確認。
 当該排水枡は、陳場沢川に通じていることから、7月5日、陳場沢川河口においてもサンプリングを実施し、前回(6月4日)採取分と比較し、有意な変動がないことを確認。
 [前回(6月4日)採取分]
   全ベータ:7.2Bq/L、セシウム137:検出限界値未満(検出限界値0.60Bq/L)
 [7月5日採取分]
   全ベータ:検出限界値未満(検出限界値3.6Bq/L)
   セシウム137:検出限界値未満(検出限界値0.78Bq/L)
 暫定の対策として、今後、当該排水枡を清掃するとともに、側溝における水の流れを調査し、側溝へのゼオライト土のうの設置等を進めている。
 現時点において、5,6号機放水口北側の海水濃度に有意な変動がないことを確認している。
 7月7日、原因調査のため、一時保管エリアP1、P2、E1の近傍を流れる排水溝、排水枡、陳場沢川河口の水を採取し、分析を実施。分析の結果、一時保管エリアP南側排水溝および東側流入地点(上流)の全ベータ値が高いことを確認。
 [一時保管エリアP南側排水溝]
   全ベータ:930Bq/L、セシウム137:370Bq/L、セシウム134:14Bq/L
 [東側流入地点(上流)]
   全ベータ:320Bq/L、セシウム137:21Bq/L、セシウム134:検出限界値未満
   (検出限界値0.79Bq/L)
 なお、一時保管エリアP排水枡や陳場沢川河口においては、全ベータ、セシウム137、セシウム134ともに検出限界値未満であることを確認している。上記分析結果を踏まえ、一時保管エリアP南側排水溝および東側流入地点(上流)の排水溝の清掃を行うとともに、ゼオライト土嚢の設置作業を現在実施している。
 引き続き、当該エリア近傍のサーベイ等、汚染源の調査を継続し、当該排水枡や排水溝の全ベータ値が上昇した原因を調査する。
 7月8日、周辺の状況調査を実施したところ、シート養生の代用として一時保管エリアP2で使用しているノッチタンク2基の天板ハッチ部蓋が4箇所ずれており、タンク内および天板上に水が溜まっていることを確認した。
 天板のハッチ部蓋がずれていたノッチタンク2基内の水および同タンク上面の水を採取し、分析を行った。
 [ノッチタンク(北)タンク内の水]
   全ベータ:79,000Bq/L、セシウム137: 検出限界値未満(検出限界値6.5Bq/L)、
   セシウム134:検出限界値未満(検出限界値6.3Bq/L)
 [ノッチタンク(北)天板上の水]
   全ベータ:71,000Bq/L、セシウム137: 検出限界値未満(検出限界値4.9Bq/L)、
   セシウム134:検出限界値未満(検出限界値4.2Bq/L)
 [ノッチタンク(南)タンク内の水]
   全ベータ:33,000Bq/L、セシウム137: 検出限界値未満(検出限界値5.6Bq/L)、
   セシウム134:検出限界値未満(検出限界値5.3Bq/L)
 [ノッチタンク(南)天板上の水]
   全ベータ:30,000Bq/L、セシウム137: 検出限界値未満(検出限界値4.8Bq/L)、
   セシウム134:検出限界値未満(検出限界値4.0Bq/L)
 天板のハッチ部蓋がずれていたノッチタンク2基については、天板上にシート養生を実施するとともに、ノッチタンク廻りへのゼオライト土嚢の設置を実施した。
 引き続き、当該エリア近傍のサーベイ等、汚染源の調査を継続し、当該排水枡や排水溝の全ベータ値が上昇した原因を調査する。
 7月9日、調査の一環として、下記の通り一時保管エリアP周辺の水を採取し、分析を行った。
 [陳場沢川河口]
   全ベータ:480Bq/L、セシウム137:360Bq/L、セシウム134:14Bq/L
 [南側排水溝排水口]
   全ベータ:1,100Bq/L、セシウム137:1,100Bq/L、セシウム134:41Bq/L
 [沈砂池]
   全ベータ: 検出限界値未満(検出限界値3.4Bq/L)、セシウム137: 検出限界値未満(検出限界値0.67Bq/L)、セシウム134:検出限界値未満(検出限界値0.75Bq/L)
 [一時保管エリアP排水桝]
   全ベータ: 検出限界値未満(検出限界値3.4Bq/L)、セシウム137: 検出限界値未満(検出限界値0.59Bq/L)、セシウム134:検出限界値未満(検出限界値0.54Bq/L)
 [東側流入地点(上流)]
   全ベータ:200Bq/L、セシウム137: 17Bq/L、セシウム134:0.77Bq/L
 [一時保管エリアP南側排水溝]
   全ベータ:390Bq/L、セシウム137: 48Bq/L、セシウム134:1.5Bq/L
 7月7日に実施した分析結果において、全ベータ放射能濃度が高かった東側流入地点(上流)、および一時保管エリアP南側排水溝については、シート養生やゼオライト土嚢の設置、ならびに排水溝の清掃により、全ベータ放射能濃度が低下していると評価している。
 また、7月9日、陳場沢川河口及び南側排水溝排水口で確認された全ベータ放射能については、サンプリングした水は降雨に伴う土砂を含んでいること、および全ベータ放射能濃度とセシウム137の濃度が概ね等しいことから、フォールアウトに起因するものと判断している。
 7月10日、調査の一環として陳場沢川河口の水を採取し、分析を行った結果、検出限界値未満であることを確認。
 [陳場沢川河口]
   全ベータ: 検出限界値未満(検出限界値3.2Bq/L)、セシウム137:検出限界値未満(検出限界値0.67Bq/L)、セシウム134:検出限界値未満(検出限界値0.72Bq/L)
 なお、今後、調査の一環として採取する一時保管エリアP周辺の水の分析結果において、有意な変動を確認した際は、都度、お知らせする。
 引き続き、当該エリア周辺のサーベイ等、汚染源の調査を継続し、当該排水枡や排水溝の全ベータ値がセシウム137の値に比べて有意に上昇した原因を調査するとともに、調査結果をふまえ、追加対策を講じる。
 一時保管エリアP2のノッチタンクのうち、天板ハッチ部蓋がずれていた2基内の水について、一時保管エリアP2のノッチタンク内の水をポンプ車で汲み上げ、7月11日以下の通り移送を実施した。
  ・移送先  :集中廃棄物処理施設プロセス主建屋
  ・移送開始 :午前11時12分
  ・移送終了 :午後2時1分
  ・移送量  :約23m
 移送時においては、漏えい等の異常がないことを確認している。また、移送時に取り外した天板上のシート養生については復旧している。
 引き続き、当該エリア周辺のサーベイ等、汚染源の調査を継続し、当該排水枡や排水溝の全ベータ値がセシウム137の値に比べて有意に上昇した原因を調査するとともに、調査結果をふまえ、追加対策を講じる。
 周辺の状況を調査したところ、以下のことを確認。
  ・汚染土壌が保管されている2基のノッチタンクの天板およびハッチがずれていたことにより、ノッチタンクに雨水が入り、その雨水に汚染土壌から放射性物質が溶け出したこと
  ・降雨が続いたことで、ノッチタンクが満水となり、ノッチタンクから放射性物質(ストロンチウム等)を含んだ雨水があふれたこと
  ・一時保管エリアP排水枡を分析した結果、天然核種でないストロンチウムおよびイットリウムが存在していたこと
 このことから、ノッチタンクからあふれた雨水の一部が、一時保管エリアP排水枡へ流入したと判断。

 さらにその一部が、沈砂池を経由して、陳場沢川に流れだした可能性は否定できないと考えている。
 よって、7月19日午後1時5分、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第62条の3に基づき制定された、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則第18条第10号「核燃料物質等が管理区域外で漏えいしたとき。」に該当すると判断した。
 なお、当該ノッチタンク内の雨水については、プロセス主建屋に移送し、ノッチタンクの養生を実施。
 陳場沢川近傍の海水の放射能濃度は、通常の変動範囲内であることから、環境への影響はないものと評価している。

【サブドレン他水処理施設の状況】
サブドレン他水処理施設の状況

【構内および海洋のサンプリング調査の状況】
・海水(港湾内、港湾外近傍、1~4号機取水口内)、地下水(1~4号機護岸、H4・H6タンクエリア周辺、地下貯水槽周辺、地下水バイパス)、排水路等の水質調査を実施した結果、至近の分析値と比較して有意な変動なし。
※サンプリング結果の詳細については当社ホームページをご参照ください。
<福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/analysis/
<福島第一原子力発電所における日々の放射性物質の分析結果>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/daily_analysis/

【原子炉および使用済燃料プールの冷却状況】
<原子炉>
・1~3号機原子炉への注水を継続中(各号機ともに冷温停止状態を継続中)。
・2号機の原子炉注水設備において、地下水流入量の抑制による建屋滞留水発生量の減少に伴い、淡水生成可能量も減少していくことから、両系による原子炉注水量3.0m/hから片系による原子炉注水量2.5m/hへの注水量低減操作を以下のとおり行う。
 [原子炉注水量変更実績]
 (7月14日午後3時4分)
  炉心スプレイ系原子炉注水量 :1.5 m/h → 2.5 m/h
  給水系原子炉注水量     :1.5 m/h →   0 m/h
 [原子炉注水量変更予定]
 (8月12日)
  炉心スプレイ系原子炉注水量 :2.5 m/h →   0 m/h
  給水系原子炉注水量     :  0 m/h → 2.5 m/h
<使用済燃料プール>
・1,2,3,5,6号機使用済燃料プールを冷却中(3,4号機は燃料取り出し済み)。

【1~6号機の状況】
 ※プラント関連パラメータ等の詳細については当社ホームページをご参照ください。
<水位・圧力・温度など>
https://www.tepco.co.jp/decommission/data/plant_data/

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:2020年12月31日)

参考資料(最終更新日時:2019年12月31日)

参考資料(最終更新日時:2018年12月31日)

参考資料(最終更新日時:2017年12月31日)

参考資料(最終更新日時:2016年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。