新潟本社

第5回 柏崎刈羽原子力発電所 核物質防護事案に係る改善措置評価委員会

1.日 時  2025年5月23日(金)9:00~11:30

2.場 所  東京電力HD 柏崎刈羽原子力発電所 ビジターズハウス 第二会議室

3.出席者

○柏崎刈羽原子力発電所 核物質防護事案に係る改善措置評価委員会
 委員長    伊丹 俊彦
 副委員長   大場 恭子
 委員     新野 良子
 委員     伊藤 聡子
 委員     開沼 博
 オブザーバー 水谷 良亮(欠席)

○東京電力ホールディングス株式会社(以下、東京電力)
 代表執行役社長              小早川 智明
 原子力・立地本部長            福田 俊彦
 柏崎刈羽原子力発電所長          稲垣 武之
 柏崎刈羽原子力発電所セキュリティ管理部長 堀川 健
 原子力運営管理部長            山田 清文
 核物質防護モニタリング室長        大槻 雅久

4.議事概要

  • (1)伊丹委員長、小早川社長の挨拶
  • (2) 第四回委員会以降の主な取組み状況について
  • 大槻室長及び稲垣所長より、配布資料に基づき、取組状況を説明
  • (3) 東電の取組みについての評価と提言
  • 視点①発電所で働く人・組織の連携

  • 社員、協力会社、一次請け、二次請けの方々まで、発電所で働く意義・誇りを更に醸成していく必要がある。いろいろ活動してきているが、いろんなトラブルが社員の中から出てしまっているということは問題。社員は、発電所で働く意義・誇りは持って当然であり、協力会社等の方々からそのように思われている。社員は、そうしたことを考え直してみる必要があり、一緒にセキュリティを高めていこうという態度にしていく必要がある。意識の大転換を図っていく必要があり、そのような部分をしっかりと教育していった方がいいのではないか。
  • 内部脅威については、社員の同士の中で、「あれ?おかしいかもしれない?」」と思ったときに、躊躇せずに通報でき、その情報の精査とともに通報者が守られる仕組みづくりが必要。不審な行動が見られたときに、その一人一人の情報をどこまで調査できるのかも含めて体制づくりをしておく必要がある。
  • 時間がないと、脅威に対する目配りが出来なくなる。業務のDX化、効率化を進めて欲しい。
  • ワンボイスの活動を、ワンフレーズとあわせた活動が素晴らしい。これまで強調されていなかったことが強調されたと認識したが、ポスターや説明資料についても、説明型になってしまうところをどう改善していくのか。ワンボイスをワンフレーズに落とし込んでいくときに、削ぎ落されるものがあるため、多くの人が関わることが必要。
  • ルールに従わなければならないという“やらされ感”がないのか心配。 “やらされ感”が“当然感”に変化し、それが無意識の行動に当然のようにつながっていくことが必要。地道な活動を通じて、社員のみならず、協力会社の方々にも、腹落ちをさせるということを徹底していただきたい。そのためには、社員がやるべきこと、協力会社のやるべきこと、それぞれの場面で、十分な理解と役割分担・責任感が必要。そのための指導教育もお願いをしたい。
  • 視点②セキュリティとセーフティの調和(共存)

  • どう行動しないといけないのかを考える時、何を守らなければならないのか、守るべきものは1つだけではなくて複数あることを理解し、なおかつそのバランスを取っていくことが必要。目指すべき行動がだいぶできるようになったなか、今後それをどのように自律していくかが、セキュリティとセーフティの持続的な均衡に繋がる。全体のバランスを見れる人、縦に知識を深めていく人、横のバランスをとれる人、それぞれ違う能力が必要。横のバランスをとれる人の育成に、もっと力を入れていただきたい。
  • 核セキュリティ部と保全部との連携、そして協力会社との連携、この三位一体の連携が完全でないと、作業等がうまく回らない。自分の部署だけじゃなく、常に、発電所全体の最適はどうあるべきか、というのを考えていただく必要がある。
  • 視点③地域内外とのコミュニケーション

  • かなり努力をされてきており、変革とその効果を感じている。もう一段広い視点で見ると、県全体は、理解が進んでいない。東電に対する評価はなかなか変わらないが、これから努力の効果が出てくるのだろうと思う。社員は、自分がどのように見られ、行動しているか自体がわかっていない。それが会社にとっても不利益であることに気付き、それをどうやって気づかせ、変えていくか議論し、その人と認識を共有していかないと変われない。地域住民の方たちへの浸透やその理解に関して、いろいろな相乗効果を生み出していくことは難しいが、そこに気づけば何かが変わるのではないかと期待する。
  • 取組みは非常に高く評価している。その上で、知りたいことが伝わるワンボイスや、ワンフレーズという以前の大前提の土台として、「信頼されるコミュニケーション」とは何なのかの理解が必要。それらを忘れて、ワンボイスで行こうとか、ワンフレーズで行こうみたいなことになってしまうと元も子もない。信頼されるコミュニケーションって何?っという深い追求や、地域といっても、視点を誰としてやっていくのか、より深く、今まで以上に社長・所長以下、皆さんで考え、取り組んでいただくことが大切。
  • “話す”から“見せる”という広報活動に転換が必要ではないか。広報のやり方をいろいろ工夫されているが、見てもらって感じてもらうという視点も重要ではないかと思う。こうした点も含めて広報の在り方を更に検討頂きたい。
  • 東電フォーラムをいろんな地域でやるときに、現地の方々とゼロベースで情報交換をしながら、どういう勉強会にしようかとか、どういう講演会にしようかというような、話し合いを積み重ね、地元のニーズに合った講師を選定するなど、その過程からも互いへの理解や信頼が深められる可能性があり、かなり有効ではないか。
  • 全体評価・提言

  • 二事案から始まった発電所での改善は進んでいる。渋滞対策に象徴されるように、いろんな形で集約されるようなセキュリティだけが厳しい根幹が、改善されている状況。全体的な企業風土文化みたいなものに取り組んできているレベルだと思う。
  • 入構証の掲示や、手荷物の事前仕分けなど、当たり前にできるようになったことは、たいへん大きな成果。みんなが当たり前に、しかも無意識にできるようになったのは明らかに文化を変えたということであり、とても高い意義がある。加えて、トップが協力会社との関係や、現場に行くことで問題意識を共有し、活動を牽引していることがみえることは、本気で東電自身も変えようとしてくれていることが自然に伝わる行為である。協力会社を巻き込んでの発電所全体の文化変容に繋がっている。
  • 経営層のご努力により、組織の方向性のイメージ或いは会社のビジョンというものが明確に示されており、それにより、社員の核セキュリティの重要性も強く認識されて理解が深まっている。大変よい傾向である。

5.配布資料

以 上

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